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国立大学法人に移行し、九州大学ならではの「大学評価情報システム」を構築


九州大学様 導入事例


「Interstage Shunsaku Data Manager」(以下Shunsakuと表記)は、高速アルゴリズムの「SIGMAエンジン」を採用しています。この「SIGMAエンジン」は、九州大学の有川教授と研究グループが開発したものです。これは、一方向遂次処理による、高速文字列照合アルゴリズムをコアとして遺伝子検索にも使われる超高速パターンマッチングの手法を用いた画期的な技術です。『大学評価情報システム』は、いわばルーツである九州大学で初めて導入したShunsakuの事例となります。

[ 2004年6月掲載 ]


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データベース設計にとらわれない、自由な開発プロセスが実現

廣川 佐千男
九州大学 情報基盤センター 研究部教授

大嶺 聖
九州大学 大学評価情報室助教授

九州大学は、2004 年4月1日付けで「国立大学法人九州大学」となりました。法人化にともない、国から“評価書”の提出が求められ、大学自身が運営方針や将来計画を立て、その根拠資料を提出する義務が生まれました。そして、大学活動の根幹である各教員の教育・研究内容にも、個々の特徴を出すことが要請されます。

こうしたニーズに応えて誕生したのが、九州大学の『大学評価情報システム』です。RDBの「教員データベース」はすでに存在していたのですが、「大学の運営方針・将来計画策定のための基礎データ」「大学の自己点検・評価、第三者評価のための基礎データ」「大学の教育研究等の活動状況や情報の公開・提供のためのデータ」「各種調査へ対応するためのデータ」などのデータ項目が追加されました。これらをRDBでシステム構築していくとなると、設計時の構造が後々影響を及ぼすため、慎重を期すものです。後々には、項目の変更などのたびに、インデックス生成やチューニング作業が必要となりますから、例外的な内容が組み込まれないように作成しなければなりません。

「XML 型データベース~Shunsaku」でシステム構築を行えば、データベース設計やチューニングを意識せずに、多種多様な情報を扱うシステムに拡張できます。そして、入力時にはさほど神経を使わずに、「データを蓄積する」ことに絞って作業を先行することができます。

「検索のことを考えずに、データ構成を設計できたという点でとても楽でした。また一方で、大学の自己点検・評価が“改革サイクル”であることも大きな問題でした。大学の教育・研究の目的や計画をつねに見直し、改革する枠組みを持っているということを国に対して示していかなければなりません。新しく作成したデータベースは、一度作っただけで終わりではありません。これからずっと活用していかなければなりませんし、つねに最新の情報を提供していかなければなりません。そうした点で、設計時の負担が少なく、拡張性にも富んでいるシステム構築が必要でした」(廣川教授)。

Shunsaku の柔軟で高度な検索機能がもたらすソリューション

『大学評価情報システム』において、Shunsakuの導入効果は、さまざまな面で発揮されています。最大のメリットは、「多種多項目・不定長・不定個の情報をもつデータを高速・柔軟に検索できること」と「検索対象の組み合わせが増加しても、変更対応が短時間で実現できること」です。

「当たり前すぎて、ありがた味がわからないのですが、これはものすごく大きなことだと思います」(大嶺助教授)。

現在の段階では、インターネット上で『大学評価情報システム』の一部である「教員の研究教育活動等報告書データベース」が公開されています。その検索システムのメニューは、Shunsakuによって、最新の状態が反映されています。また、インターネットでの外部公開により、アクセス頻度が集中しても、高速検索を実現しています。たとえば、利用者が急増し、瞬間的にアクセスが集中した場合でも、検索性能がほとんど劣化しないのは、大きなメリットです。このように、インターネットでのWeb 公開を目的としたデータベースにおいても、検索エンジンであるShunsakuはその強味を発揮しています。

情報データベースから、意思決定のための戦略ツールへ

システムの構築・運用に取り組むうちに『大学評価情報システム』の新たな役割が生まれました。

「去年、100以上の大学が集まった自己点検・評価に関するワークショップでは、“情報をただ外部に出すだけなく、自分たちの組織の強みをきちんと理解するためにも、役立てることができる”といったテーマが話し合われました」(廣川教授)。

組織のトップが方針を決める際に、“うちの大学はこの部分が強みだから、より多くの予算を獲得するための申請書を作成しよう”といった、意識決定ツールとしての使い方ができるということです。

「現在でも、オーソライズされた一部のデータ(教員の研究教育活動等報告書データベース)はWebで公開していますが、大学内部の人間については、部局管理者の要求に基づいて閲覧・利用できるような体制作りも進めています。また、大学には研究費の案内や募集に関するメールが大量に届きますが、この大学評価情報システムのデータに基づいて、該当しそうな先生方へと自動的にメールが転送されるシステムも試験的に稼働しています」(大嶺助教授)。

「大学評価情報システム」全体構成図

「大学評価情報システム」の次のステップ

変化に強いシステムをShunsakuは短期間で構築できます。『大学評価情報システム』のアウトプットとして、次々にその適応例が生まれてくるに違いありません。

「仕事が増えるばかりでなく、楽ができて、なおかつ得をする。特許の取得数が増えるといった目に見える成果が上がれば、研究の支援システムとしての認知度も上がるはずです。そうした多様な構想を打ち出せるだけの、迫力のあるデータが準備できたということは画期的なことです」(廣川教授)。

世の中に存在するデータの多くは不定長、不定個な存在です。Shunsakuの高速かつ柔軟な検索機能によって、そうした制限が緩和され、新しい情報活用の時代、より使いやすいナレッジシステムの時代が今、到来しようとしています。そのはじめの一歩が『大学評価情報システム』です。Shunsaku誕生のルーツである九州大学がひとつの礎を築き、多様な構想を打ち出そうとしています。

【九州大学様】

1903年に京都帝国大学福岡医科大学として設立されていた医科大学と工科大学とにより、1911年に九州帝国大学として誕生。2003年には、九州芸術工科大学と統合し、現在、学部学生約11,000名、大学院学生約6,100名、教職員約4,400名が所属。箱崎キャンパス、病院キャンパス、六本松キャンパス、筑紫キャンパス、大橋キャンパスがある。平成17年度より、福岡市西区元岡・桑原地区の新キャンパスへの移転を開始予定。

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