松下電工は、電気設備資材(電材)をインターネット上で流通させることが今後の業界効率化に不可欠であると判断し、すでに実現していたメーカー・代理店間システムに加え、代理店・工事会社間をインターネットで結び、取引情報を交換して、資材流通を効率化するWeb電材・流通情報サービス「denzaiemotion」(デンザイエモーション)を開発した。

吉田 芳一氏
松下電工株式会社 電材分社 電材営業企画部 IT企画グループ 部長
建築・電材業界は、メーカーがあり、代理店があり、その先に工事会社、建築会社があるという関係で成り立っている。他の業界と同様、電子化による流通効率化の必要性が叫ばれている。
そのために、流通コスト削減のため代理店を通さない、いわゆる「中抜き」へ進む業界もあるが、松下電工は、代理店の力がなければ電気設備資材業界は成り立たないと考えている。品番が付いていないような電材も含め、20万種類ともいわれる商品の管理は煩雑を極め、メーカーが行うことは事実上不可能だからである。
このため、「代理店さん、工事会社や建築会社間の既存流通システムを十分是認した上で、これをいかに効率化するかが、メーカーも含めた業界全体の効率化と発展に密接につながっているのです」(電材分社 電材営業企画部 IT企画グループ部長 吉田芳一氏)。
松下電工では、自社と代理店との間を専用線で接続した業務システム「ニューアローシステム」を30年前に開発し、活用している。しかし、代理店・工事会社間における取引情報は、電話やファクシミリなど人手による作業に依存せざるを得なかった。
ところが、最近のインターネットの急速な普及に伴い、特に昨年辺りからは代理店や工事会社側からインターネット化の要望が相次いで出始めた。

渕脇 正孝氏
松下電工株式会社 電材分社 電材営業企画部 IT企画グループ 部長 denzaiemotion推進担当
このインターネット化の要望に応えるため、松下電工が開発した代理店・工事会社間のインターネット情報システムが「denzaiemotion(デンザイエモーション)」である。その狙いは、「代理店・工事会社間における流通、取引情報に関わる部分をローコストで、スピーディーに行えるツールを提供しようということです」(電材分社 電材営業企画部 IT企画グループ 部長 denzaiemotion推進担当渕脇正孝氏)。
「denzaiemotion」は、各代理店ごとのホームページを松下電工のサーバ上に開設して、各種サービスをインターネット環境で提供するソフトウェアプラットフォームである。情報サービスのメニューには基本的に、工事会社と代理店が日常的にオフラインでやり取りしている情報が掲載される。
工事会社側で、インターネットの導入以外に難しいシステム構築は不要であり、極めて使いやすい点が魅力だ。「松下電工の考えるシステムの使いやすさは、代理店・工事会社との長いお付き合いから生まれた具体的なものです。この目線の低さが大きな特長と言えると思います」(吉田氏)。
このシステムの重要なポイントは、代理店が顔になる仕組みになっていることである。例えば、在庫状況確認や商品発注をするには、工事会社からIDとパスワードで代理店のサイトにアクセスする。このサイトは、代理店の基幹システムにつながっており、代理店の在庫情報を画面に表示し、松下電工商品以外も含む代理店取扱商品全体の在庫照会ができる。
仕入れデータあるいは請求データがインターネット経由で入手できる点は、「工事会社にとって得意先ごとの請求書作成、工事現場別の管理は極めて簡単になることから、とても好評です」(吉田氏)。
denzaiemotion(電材流通情報サービスシステム)の概要

今回の「denzaiemotion」の構築は松下電工 IT企画グループとインテグレーターである松下電工インフォメーションシステムズの連携で実現した。グループのインテグレーションを数多く手がける松下電工インフォメーションシステムズでは、この「denzaiemotion」をアプリケーション・サーバを用いた、いわゆる三層構造で構築した。
アプリケーション・サーバには、富士通の「INTERSTAGE」を選択した。すでに、「INTERSTAGE」については、松下電工および代理店での実績があり、基幹システムとの連携がスムースであるという利点があった。
それに加え、「拡張性が、このシステムにとって極めて重要です。その点で「INTERSTAGE」のEAIサーバは、多数の代理店さんの多様なサーバと容易に接続できるため、システム規模が拡大しても安心して対応できます。そして、国内ベンダーであるため、確実なサポートを受けられることも大きな要因になっています」(松下電工インフォメーションシステムズ株式会社 流通ソリューション事業部 事業部長 高田義人氏)と、数多くのメリットがあったためである。
「denzaiemotion」では現在、iモード端末からも在庫照会ができるようにする仕組みを開発している。工事会社の社員は現場に出向くことが多いため、その場でインターネット上の情報を取得できるようになれば、お客様へ迅速に回答ができるようになり、競争力強化につながる。この意味でも、m to B対応を実現する「INTERSTAGE」ファミリーはシステムを支える基盤となっている。
将来は、「denzaiemotion」に松下グループ以外の企業、そして最終的には競合会社の参加も促し、業界スタンダードとして確立することを目指している。
denzaiemotionシステム構成

| 本社 | 大阪府門真市大字門真1048 |
|---|---|
| 資本金 | 約1,232億9,000万円 |
| 従業員数 | 16,870名 |
| 業務概要 | 1935年設立。1945年に現社名に変更。「SmartSolutions by NAIS」を掲げ、住設建材、電子材料から生活家電まで幅広く、「快適環境創造業」を目指す。メーカーとしてだけでなく、業界全体のシステム効率化にも尽力している。 |
| ホームページ | 松下電工株式会社ホームページ |
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