紅茶などの製造販売を軸に事業展開する三井農林株式会社様は、重要課題である在庫の最適化を実現するため、富士通のモニタリングツールを導入しました。既存システムを有効活用しながら、生産管理に関わる問題の早期発見と迅速な対応を実現した事例をご紹介します。
[ 2009年5月13日掲載 ]
| 導入事例概要 | |
|---|---|
| 業種 | 食品 |
| 製品 | Interstage Business Process Manager Analytics |
「日東紅茶」に代表される家庭用紅茶・緑茶などの製造販売を軸に事業展開する三井農林。現在、在庫最適化を重要な経営テーマに掲げて注力している。
三井農林で生産調整を担う部署が総括本部 生産管理部である。部長の岩澤 昌彦 氏は「紅茶や緑茶の販売、原材料である茶葉の調達は季節によって大きく変動します。食品であるだけに品質保持のための生産量の適正化がよりシビアに問われます。非常に困難ですが、適切な商品供給には最適な生産と在庫のバランス確保が必須なのです」と熱く語る。
| 導入前の課題 | 導入後の効果 | |
|---|---|---|
| 在庫過不足の予兆検知精度を上げ、在庫の適正化を図りたい | “ 発注点”のしきい値を、統計学をベースに算出。アラート通知により、在庫の変動に柔軟に対応 | |
| システム上に分散した生産管理用のデータを効率的に集計したい | 生産調整に必要なデータを複数部門のシステムから横断的に自動収集し、集計・分析を大幅にスピードアップ | |
| 既存システムに手を加えずに業務を改善したい | 既存システムを有効活用し、段階的に生産管理業務を改善 |

佐々木 純悦氏
三井農林株式会社
管理本部 情報システム部
担当部長

岩澤 昌彦氏
三井農林株式会社
総括本部 生産管理部
部長

北村 浩一郎氏
三井農林株式会社
総括本部 生産管理部
生産管理室 室長
生産量調整は営業部門の販売予測をはじめ、出荷実績や在庫状況、工場の製造計画など、複数部門のデータを収集・分析して行う。しかし、既存システムは「生産調整に必要なデータは部分最適化された別々のシステムに散在し、データの一括収集や連携が困難でした。使い勝手の悪い環境を改善したいという強い思いがありました」(三井農林 管理本部 情報システム部担当部長 佐々木 純悦 氏)。生産調整に必要な情報が各部門システムに分散しているため、情報収集に時間がかかり、リアルタイムに活用できないという問題を抱えていた。
生産管理部の担当者が各システムのデータを手作業で収集し、表計算ソフト上にまとめて集計・分析しなければならなかった。対象アイテムは常時約600 点、年間では約1,000 点にのぼる。このデータは1 シートあたり5,000 セルに及ぶ。三井農林 総括本部 生産管理部生産管理室 室長 北村 浩一郎 氏は「各商品個別にデータ集計・分析を行うので、ピーク時には担当者7 名を擁しても作業が追いつかないなど、多くの時間がかかっていました」と振り返る。
業務システム間の連携を人の作業で補っているため、効率化やスピードアップが進まない。データの集計結果から見える在庫過不足の発見や対処が遅れるなどリアルタイム性を欠くために起因する弊害も発生していた。しかも、生産調整の判断は「担当者個人の経験に頼るなど属人的」(岩澤氏)であったこともあわせ、リスクが高かった。
生産管理部は2008 年4 月、「業務改善プロジェクト」を発足し、情報システム部の協力のもと、それらの課題解決に取り組んだ。
手段として、IT ツールの導入を決意。数社の製品を比較検討した後、採用したのが富士通の「Interstage Business Process Manager Analytics」(以下、IBPMA)だ。業務状況の監視・分析により、問題の早期発見と改善を支援するモニタリングツールである。既存システムに手を加えることなく、業務の進捗状況を監視したり、業務データの収集・分析から、業務改善を始めることができる。
選定の決め手は、富士通と同社の販売パートナーのミツイワ、および富士通システムソリューションズ (Fsol) の提案の的確さだ。
2008 年6 月よりシステム構築を開始し、2008 年9 月にカットオーバー。対象アイテムを50 点からスタートさせ、段階的に拡大していった。
IBPMA の機能を利用し、既存システムにアドオンで業務データを収集・監視する。在庫が減った時点で補充発注する“ 発注点” 方式を一部少量生産の商品に採用して、あらかじめ設定した発注点を在庫が下回ると担当者へ自動的にアラートが通知される仕組みを作り上げた。在庫超過や期限切れなどの問題が発生する予兆の段階でアラートを通知することで、気づきや対処の遅れとなる重要な情報の見落としの防止が可能になった。
この発注点は過去1 年分の出荷データから、標準偏差など統計学をベースに算出。「生産調整は担当者の経験ではなく、過去のデータから論理的に判断・実施します」と岩澤氏は語る。また、北村氏は「過去の出荷データ量が膨大だったため、発注点計算のシミュレーションにIBPMA を使用する利点がありました」と続ける。

三井農林はIBPMA によって、生産調整に必要なデータを複数部門のシステムから横断的に自動収集可能となり、今後は集計・分析の大幅なスピードアップが期待され、生産量適正化のシステム運用をスタートさせる段階となった。
発注点を基に在庫過不足等の予兆がリアルタイムで監視・通知可能となったことで、問題発生の未然防止が可能になる。「予兆検知の精度が向上し、問題の早期発見とタイムリーな対処が行える環境が整いました」と北村氏は効果を強調する。さらに、データ集計・分析にかかる工数を削減できたことで「担当者は生産計画の精度向上や生産事故の予防など、コア業務により集中できるようになりました」(北村氏)
このように三井農林は、在庫の過不足をはじめとする予兆となるデータが示す問題に迅速に対応すべく、生産管理の業務改善に取り組んだ。既存の業務システムを横断した業務データを見える化できる環境が整ったことで、改善のための具体的なポイントが明確になり、継続的な業務改善が可能になったのである。
今回のIBPMA 導入の結果、「生産量適正化および在庫適正化への取り組みを支える基盤をトータルで整備できました」と手応えを感じている岩澤氏。今後はアラートを受け取った後、生産量を適正化するために実施する施策や判断基準などをブラッシュアップすることで、在庫情報型の生産を具現化していく。
また、IBPMA の全社展開も視野に入れている。「問題の予兆監視・通知という仕組みの他部署への横展開を考えています。経営層の意思決定のための情報提供にも有効だと思います」と構想を語る佐々木氏。これからもIBPMA の有効活用により、ビジネス強化を進めていく。
| 所在地 | 東京都港区西新橋1-2-9日比谷セントラルビル |
|---|---|
| 創業 | 1909年 |
| 代表取締役社長 | 阿部 庸行 |
| 従業員数 | 555名(2008年3月31日現在) |
| 事業概要 | 家庭用紅茶・緑茶などの製造販売をはじめ、ホテルや自動販売機などへの製品供給、および各種茶系飲料の原料供給。茶抽出物 / 茶カテキンの研究・開発および原料供給・製品販売といった機能性素材事業も展開。
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| ホームページ | 三井農林株式会社 ホームページ |
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