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スピード経営に向けEAI&DWHシステムを構築
シームレスな情報統合をInterstageで実現

三井石油株式会社様 導入事例


石油・LPガス販売大手の三井石油では、基幹システムの全面的な再構築を行った。メインフレームで構築されていた旧システムを刷新することで、経営の合理化とスピード化を実現するのが狙いである。様々な環境変化にも柔軟に対応できるよう、新システムには業務ごとに最適なソリューションを選択。さらにシステム全体を富士通のEAIツール「Interstage CollaborationRing」によってシームレスに統合することで、新しいビジネスニーズに即応できる環境を実現している。

[ 2002年9月掲載 ]


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日本のエネルギー安定供給に大きく貢献

濱田 明久
三井石油株式会社 取締役 企画 総務 情報担当

岡野 夏井
三井石油株式会社 経営企画部 部長

三井グループにおけるエネルギー事業の中核を担う企業として、石油製品・LPガスの製造、販売を手がける三井石油。全国700ヵ所以上の給油所にガソリン・軽油等を供給する同社は、経済産業省から特定石油販売業者、いわゆる「元売」の認可も取得している総合エネルギー企業である。

1996年の特別石油製品輸入暫定措置法(特石法)廃止をはじめとして、石油業界にも大幅な自由化・規制緩和の波が押し寄せている。経営基盤の安定化を図るべく、大がかりな合併・提携に踏み切った企業も少なくない。この傾向は日本国内における1次エネルギー供給量の約5%を占めるLPガス業界においても同様であり、激化する市場競争への対応と経営合理化の推進が一段と求められている。

しかも、日本のライフラインの一角を支える同社には、社会的に重要な役割も課されている。取締役 企画 総務 情報担当 濱田明久氏は「エネルギー事業には、産業や国民生活を支える国家事業としての側面も備わっています。当社でも国家備蓄事業等に積極的に参画し、日本のエネルギーの安定供給に貢献しています」と語る。

また同社では、環境問題に対しても積極的に取り組んでいる。最近では、ディーゼル車両の排気ガスに含まれる窒素酸化物や粒子状物質が社会問題化しているが、同社では環境負荷の少ない低公害・低硫黄軽油「三井クリーン軽油」をいち早く販売している。「今後は燃料電池に用いられるDME(ジメチルエーテル)など、様々な次世代エネルギーも広範に普及してくることでしょう。当社がこれまで培ってきた技術とノウハウを活かし、こうした新しい分野にも積極的に取り組んでいきたいですね」と濱田氏は力強く語る。

SOHO拠点の営業活動など画期的な施策を次々と打ち出す

田口 雅則
三井石油株式会社 経営企画部 課長 情報システムグループリーダー

業界を取り巻く環境が厳しさを一段と増す中、継続的な成長を続けてきた三井石油の強みは、徹底した合理化の追求と意思決定の速さにある。

「多様化するニーズに確実にお応えしていくためには、組織のスリム化とスピード化を一段と進める必要があります。そこで、石油、LPガスの両事業とも、販売部門を『三井石油販売』『三井石油ガス販売』という形で分社化しました。これにより、さらなるコスト管理の徹底と、経営責任の明確化を目指しています」と濱田氏は説明する。

よりきめ細かい営業活動を行うべく、石油販売新会社では従来の支店制度を廃止した。それに代わって、地域別のエリア制を敷くと同時に、営業拠点を「スモールオフィス・ホームオフィス」、いわゆるSOHO形式に移管した。地域密着型の営業活動を推進することで、「駐在員と各地のお客様との間に密接な関係を築き上げるのが狙いです。また、将来的にはLPガス事業もSOHOの良いところを取り入れて、一層の合理化・効率化を目指します」と濱田氏は語る。

さらに、ガソリンスタンドに対する支援などもこれまで以上に強化していく。「石油業界においても消費の二極化が顕著に表れています。価格を重視する場合はセルフサービスのスタンドで、点検や整備などもお望みの場合はフルサービスのスタンドでといった具合に、ニーズに応じて選択する傾向がますます強まっていくことでしょう。当社でも特約店様向けのプログラムなどを充実させ、今後の勝ち残りをはかっていく所存です」(濱田氏)。

経営資源を得意分野に集中業界トップの質を目指す

充実したサービスメニューを用意しても、それだけで厳しい競争を勝ち抜いていくことは難しい。製品を利用するユーザーにとっては、価格の安さも重要な要素になる。それだけに、コスト競争力の確保が、経営上の重要課題となっている。

日本の石油業界では製油所の統廃合が進んでいるが、元売である同社には、極東石油工業(株)・千葉製油所(生産能力17万5000バレル)という強力な切り札がある。三井石油が50%を出資するこの製油所は、業界でも有数の価格競争力を保持している。

三井グループの商社内販社からスタートし、商社系では初の元売へと成長を遂げた三井石油。グループのエネルギー事業を担う企業として、今後もその活躍が期待されている。

「合理的でスピーディーな経営を実現するためには、社会や業界、自社の状況がどうなっているのかをリアルタイムに判断できることが必要です。いくらSOHO制を導入しても、現在の取り組みの結果が、来月になるまで分からないのでは意味がありません。情報武装の重要性は、かつてないほど高まっていますね」と濱田氏は語る。

三井石油のビジネスフロー

環境変化への対応を実現すべく基幹システムを再構築

三井石油では、2001年夏から基幹システムの再構築プロジェクトに着手した。これまで同社ではメインフレームで構築された基幹システムを利用してきたが、導入から既に約10年が経過。スピード経営の実現、業務機能/事業環境変化への対応、柔軟な組織作りといった新たなビジネスニーズに対応できなくなっていた。

「情報やデータを活かしたビジネスを推進するためには、システムも業務機能ごとに分化させていく必要があります。しかし、これをメインフレームで実現するのは極めて困難です。そこで、メインフレーム集中型のアーキテクチャーから脱却し、サーバとパッケージソフトをベースとした全く新しい環境を作り上げたいと考えました」(濱田氏)。

同社の場合、具体的な業務機能としては全社会計・石油事業・ガス事業の3点が挙げられる。これらをすべてパッケージで再構築したのである。また、全業務を単一のERPパッケージにいっせいに置き換える「ビッグバン」方式ではなく、それぞれの業務ごとに最も適切な製品を選択する「ベスト・オブ・ブリード」方式を採用した。

「単一の製品でシステムを構築すると、どうしても手直しをする部分が多くなってしまいます。コストや構築期間の面からも、カスタマイズやアドオンは極力減らしたかったので、それぞれの業務に最も適したパッケージを選んで組み合わせることにしました」と濱田氏は説明する。

基幹システムすべてを置き換える大規模プロジェクトであるため、構築作業は2フェーズに分けて実施した。最もシステム規模の大きい石油システムは2フェーズ目とし、それ以外のシステムから構築作業が開始された。

Interstage CollaborationRingでシステムプロセスを統合

メインフレーム上の業務システムをパッケージに置き換えることで、システムのスリム化、低コスト化は実現できる。しかし、それぞれのシステムがバラバラに稼働していたのでは、企業経営全体の効率化を図ることはできない。

そこで、三井石油では各業務システムに加えて、「EAI&DWHシステム」も導入した。これにより、システムの短期構築とコスト削減、それに今後の変化にも柔軟に対応できる環境の実現を目指した。

こうして構築された新基幹システムは、「データ公開」「データ収集」「データ確定」の3階層レイヤーで構成されている。各業務システムで処理されたデータは、EAIツールによってセントラル・ウェアハウスにデイリーに集約。蓄積されたデータは、用途や目的に応じてデータマートに抽出される。利用者はデータマートにアクセスすることで、自らが必要とするデータを迅速に入手することが可能だ。

もちろん、こうした情報系業務だけでなく、石油/ガスシステムから会計システムへのデータ転送といった各システム間の連携にもEAI&DWHシステムを活用。全社業務を支える重要な基盤としての役割を果たしている。

このEAI&DWHシステムの中核を構成しているのが、富士通のEAIツール「Interstage CollaborationRing」である。経営企画部 課長 情報システムグループ リーダー 田口雅則氏は、選択の理由を「導入にあたっては主要なEAI製品を取り上げて比較検討をしました。その結果、Interstage CollaborationRingは当社の機能要件を満たしており、コスト的にも一番リーズナブルでした」と説明する。

EAI&DWHシステム構成図

多彩なアダプター群を活用し既存システムと柔軟に連携

最新の標準技術だけでシステム環境が実現できれば理想的だが、現実にはそのようなケースはほとんどない。今回のシステム構築においても、移行期間を終えるまで稼働を続けるメインフレームとの連携や、各種製造拠点などとの連携が必須となった。

これに対して、Interstage CollaborationRingを採用したことで、問題を容易に解決することができた。たとえば、製造拠点との連携には全銀ベーシック手順による回線での通信、HULFTによるファイル転送などが行われていたが、Interstage CollaborationRingの「全銀アダプタ」、「HULFTアダプタ」を利用することで、製造拠点のシステムに変更を加えることなく連携を実現している。

また、今回のシステムには、EAIサーバ上にデータベースを持たず、DWHに直接データを蓄積するという特徴が備わっている。これは、迅速なデータ公開の実現、システムコストの削減などの効果を狙ったためだが、ここでもデータベースに採用されたOracle 8iとの連携にInterstage CollaborationRingの「Oracleアダプタ」が威力を発揮している。

EAIサーバ上を通過するデータはOracleアダプターによってデータベース内に取り込まれるが、こうした機能を定義操作のみで実現することが可能。特別なアプリケーション開発などは一切行っていない。

現在はファイル転送、EDIなどのバッチ連携によって、デイリーなデータ集約を実現しており、将来はMQアダプターを実装することでリアルタイム連携も実現できる。

田口氏は「システムをさらに発展させたい時にも、様々なソリューションと即座に、かつシームレスに連携することができる。こうした柔軟性の高さが、Interstage CollaborationRingの良さですね」と満足げに語る。

富士通のサービス・サポートにも大いに期待

今回のInterstage CollaborationRingの採用には、機能面の充実度以外にもう一つ大きな理由があった。それは、富士通の強力なサービス・サポート体制である。「当社のIT部門の要員は限られていますので、ベンダー各社の製品のマネジメントをすべて自社で行うのは不可能です。そこで、プロジェクトマネージャーの選任にも細心の注意を払いました」と田口氏は語る。

富士通ではこれに対応して、プロジェクトリーダ、EAIチーム、DWHチームからなる万全のチーム体制を組織した。ベンダー各社と密接な連携を行うと同時に、システム全体を見渡したマネジメントを遂行した。「富士通のプロジェクトリーダは全体プロジェクトの実現に熱意を持って取り組んでくれました。当社のニーズも上手に取り入れてくれるなど、大いに感謝しています」と語る田口氏。さらに、「Interstageサービス&サポート」による要件確認・技術検証なども、短期構築の実現に寄与している。

三井石油ではこうした富士通の取り組みを高く評価しており、第2フェーズの新石油システム構築も、富士通に任せるとしている。

経営企画部 部長 岡野夏井氏は「グローバル・イノベーション・ITが現在の当社のキーワードです。市場環境がますます厳しさを増す中で、リスク・マネジメントの重要性も一段と高まっています。こうした分野にも新基幹システムを積極的に活用することで、今後の勝ち残りを実現していきたい」と力強く語る。

濱田氏も「経営とITの一体化がより進んでいく以上、システムの革新にも終わりはありません。我々としてもより充実した環境を実現すべく、今後も全力を尽くしていきたい。Interstageと富士通の提案やサポートにも、大いに期待しています」と抱負を語った。

【三井石油株式会社様 会社概要】

本社 〒100-0011 東京都千代田区内幸町1-3-1
設立 1961年2月18日
資本金 50億円
年商 3570億2400万円(平成13年度実績)
業務概要 三井グループのエネルギーの中核会社として、石油製品・LPガスを取り扱う総合エネルギー会社。ガソリン、軽油等の販売や一般産業に対する重油の販売、全国200万世帯へのLPガス供給を手がける。環境保護も重視しており、燃料電池を含む新エネルギー開発にも積極的に取り組んでいる。
三井石油株式会社
ホームページ 三井石油株式会社ホームページ

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