富士通では、2001年6月より関係会社を含む62,000名を対象とする、Webによる人事・総務系の届出および伝票処理を行うサービスの運用を開始した。このシステムは、「マイオフィス」と呼ばれ、日常的な勤怠上の届出や出張清算などをインターネットのブラウザを介して処理することができるというもの。
このシステムは、すでに導入されている富士通、および関係会社の従業員だれもが利用するシステムとして完全に定着しており、今後グループ会社を含む10万人規模で利用するシステムへの拡張が予定されている。
マイオフィスは、Webベースのシステムとしての運用を開始する以前に、1996年度よりクライアント/サーバ(C/S型)型のシステムとしてすでに導入されていた。人事勤労、総務関係の事務手続きを円滑に行うことがその目的であり、煩雑かつ膨大な紙ベースの各種届出や処理を電子化する画期的なシステムとして運用されていた。
しかしインターネット環境が整備されていくにしたがって、次のような点で改善が望まれるようになった。
C/S型システムでは、サーバ側だけでなく、クライアント側へもシステムの環境構築が必要となる。これは、バージョンアップやちょっとした業務改善を行う場合にも、すべてのクライアント環境の更新が必要となることを意味する。
このため、運用面での施策により、各職場単位に管理責任者を設置し、この管理責任者によって、限られたパソコン上に環境を構築して運用する形態をとることで、運用管理コストの極小化とスムーズな導入・運用とを実現していたが、利用者の拡大とともに運用管理コストは膨らむ結果となっていた。
社内の限られたパソコンにしか環境が構築されていないことから、必然的に、社外常駐者や長期の出張者といった社外での作業者はサービスの対象外となり、これまでのように紙ベースで各種届出を行う方式と併用してして運用する必要があった。
マイオフィスが提供するサービス以外にも従業員が一般的に利用するサービスとして、成果評価システム、給与・賞与明細照会システムなどが個々に運用されていた。
これらを統合した従業員サービスの提供へのニーズが高まっていたが、クライアント側とサーバ側の処理が密接に連携するクラサバ形態のシステムでは、複数のシステムを統合化することは困難であった。
C/S型システムの課題を一掃するとともに、人事勤労、総務関係業務のさらなる効率化と従業員サービスの大幅な向上を目指して、INTERSTAGEを基盤とするWebベースのシステムへとマイオフィスの再構築が実施された。
再構築後の新システムでは、従業員一人一人が、自席のパソコンでWebブラウザから容易にシステムを利用することが可能となった。
Webベースのシステムへとリニューアルされたため、クライアント側(利用者側)はWebブラウザ以外の動作環境を必要としない。
バージョンアップなどのシステム変更は、サーバ側のみの対応で完了するため、利用者への影響はまったく発生しない。
従来の職場単位での管理責任者自体も不要となり運用管理コストの大幅な削減を実現した。
インターネット環境から利用できるため、利用場所は社内に限定されることはない。
社外常駐者や長期の出張者だけでなく、急な出張先からでさえ、システムの利用が可能となった。このため、紙ベースで届出を行うなどの例外的な運用を行う必要性もなくなった。
Webベースシステムへとリニューアルしたことにともない、従業員が一般的に利用する成果評価システム、給与・賞与明細照会システムなどの既存システムをサーバ側で連携/統合。これにより、マイオフィスの画面メニューから目的とするサービスを選択するだけで、対応するシステムの利用が可能となった。
また、同時に社内コールセンターを立ち上げるとともに、CTI(Computer Telephony Integration)、ナレッジベースシステムを新たに導入することにより、トータルなサービス面を著しく向上させた。
富士通では今後、マイオフィスをグループ内関係・関連会社約40社への拡大展開を予定しているほか、サービス時間の拡大、社内関連Webサイトとの統合によるビジネス・ポータル化、およびXML技術の活用によって制度変更などの環境変化へ柔軟に対応できるシステムとするなど、いっそうのサービス向上に向けての対応を計画中である。このような取組みを通して、富士通自らが先端技術を適用した情報システムのユーザでもあり続けようとしている
図 マイオフィスシステム構成

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