鉄道コンテナ輸送の全工程を管理する基幹システム「RACS」を、限られた期間で安全・確実に更改。費用と手間を最小限にとどめながら、信頼性・運用性の高い帳票システムへの移行を実現した事例です。
[ 2008年9月掲載 ]
| 導入前の課題 | 導入後の効果 | |
|---|---|---|
| 老朽化したハードウェアの入れ替えに伴い、システムを刷新して運用を効率化したい | センターサーバで帳票フォーマットを一元管理し、容易な運用、保守を実現 | |
| 年1回の計画日に、安全・確実にシステムを移行したい | 現場の業務に影響を与えることなく、大規模システムを短期構築 | |
| 用紙の使用量とともにコストを削減したい | 用紙の使用量削減によりコストを半減させるとともに、森林資源保護に貢献 |

三上 愼二氏
日本通運株式会社
IT 推進部 次長
日本通運では、鉄道コンテナ、自動車、海上、航空など輸送事業ごとに基幹システムがあり、各事業の現場業務と管理を行っている。その中で、2000年に運用を開始した「日通鉄道コンテナ情報システム(RACS)」が老朽化、システムの更新が必要になった。日本通運の鉄道コンテナ輸送は、顧客の運送申し込みを受けて集貨し、コンテナをトラックに載せて、鉄道のコンテナ発送基地に運び、コンテナ列車に積載。コンテナ列車が目的地近くの基地に到着すると、コンテナをトラックに載せて、目的地まで配達する。「RACSは鉄道コンテナ輸送の全工程を管理しており、鉄道ごとのコンテナ基地など全国160拠点に設置された約800台の端末と約300台のプリンタで、輸送業務のための記録票(売上伝票)や集貨・配送指示が記述されたドライバー用の集配連絡書を毎日出力しています。オーダーなどの入力情報は作業帳票として必ず出力するので、帳票システムは業務に欠かせません」と同社IT推進部次長の三上 愼二氏は語る。


長田 尚丈氏
日本通運株式会社
IT 推進部
システム更新にあたっての最大の課題は、限られた期限内に安全・確実にシステムを移行することだった。業務を停止できるのは、年間で1月1日から2日の2日間だけだ。その期間でシステム更新を終えないと、翌年の正月まで待たなければならない。そのため、計画通りに更新できることが絶対条件であった。
「加えて、用紙を従来の専用単票用紙から、A3及びA4の普通紙に変更することにしました。地球環境問題が大きなテーマになる中で、弊社はCSR経営の一環として、かねてより植林や森林育成活動に取り組んでいます。用紙変更による紙使用量削減は、単にコストを削減するだけでなく、森林資源保護のためにも意味があると考えました」と同社IT推進部 長田 尚丈氏は話す。
移行方式は、(1)帳票システムの新規構築、(2)他業務で稼働中の帳票システムの流用、(3)従来から使っていた富士通の「SystemWalker / OutputASSIST」から、同社の帳票設計・生成ソフトウェア「Interstage List Creator」への移行、の 3案を比較検討。最終的に選択したのが(3)の「Interstage List Creator」への移行だった。決め手は信頼性と運用性。費用と手間を最小限にとどめられることも採用の要因だった。「Interstage List Creator」なら分散環境でプリンタ機種を選ばずに帳票を高速に出力できる。センターと拠点の連携部分も開発の必要がなく、帳票フォーマットはセンターサーバで一元管理することで、変更に柔軟に対応できる。
移行プロジェクトは2007年7月にキックオフ、新システムは予定通り2008年1月に稼働を開始した。その過程では、帳票の種類自体を見直し、およそ140種を120種ほどに絞り込んだ。そして、用紙量の削減も計画通りに実現。「記録票は、A4普通紙に一覧表で出力するようにしました。その結果、A4普通紙1枚に14明細分使えるので、利用枚数が従来の14分の1になりました。また、集配連絡書もA3普通紙に変えたので、単価ベースでは、約半分になっています」(長田氏)。用紙変更にあわせて、プリンタもドットプリンタから全社共通のレーザープリンタに入れ替え。さらに、「Interstage List Creator」が実現する圧縮データ転送により、印刷速度は従来の倍になったという。
また、扱いやすいGUIで帳票設計がしやすくなったことも大きな成果だ。「列車の入線・出線時刻やコンテナ型式・番号の欄をもっと大きく、見やすくして欲しい」などの現場要望に対して、帳票作成経験が少ないIT推進部の担当者でも帳票フォーマットを簡単に変更できるようになった。帳票はすべてセンターサーバで管理。たとえ修正が発生しても、800台の端末すべてに修正版を配付する必要がなくなり、メンテナンスがスムーズになった。また、業務の性格上、作業帳票は朝夕の限られた時間帯に、100~200枚と大量出力が集中する。ここで印刷監視を行うのが、印刷管理ソフトウェア「Interstage Print Manager」だ。GUIによる簡単な設定で、印刷時の用紙交換メッセージや印刷完了を通知し、最終ページが排出されるまで確実に管理する。印刷エラーが発生してもアプリケーションを再起動することなく代替プリンタへの切替えや、再印刷が可能だ。
日本通運では、今後、Interstage List CreatorのPDF高速生成機能を活用し、管理帳票の電子化(PDF)や、さらなる資源の節減を目指していく。電子化は拠点内の管理帳票の保管スペース縮小にも有効だ。また、Excelファイルへの出力による帳票データの二次活用など、拠点ごとに工夫を行い、収益向上に役立てていくことも検討している。
「管理帳票の電子化を含め、ITをビジネスの“攻めのツール”として活用することで、さらなる販売促進を目指します。今後も現場への改善提案を積極的に展開していきます」(三上氏)。
どのような業種のビジネスであっても、帳票ソリューションは、きめ細かで多彩な表現力が求められる。その点で、富士通のInterstage List Creator が成し得た効果は、日本通運の現場業務改善と全社的な経営改革への取り組みに、大きな貢献を果たせたに違いない。
| 本社 | 東京都港区東新橋1-9-3 |
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| 設立 | 1937年10月1日 |
| 資本金 | 701億7,500万円(2008年3月31日現在) |
| 代表取締役社長 | 川合 正矩 |
| 従業員数 | 38,517人(2008年3月31日現在) |
| 事業概要 | 自動車、鉄道、船舶、航空機を利用した輸送及び倉庫、旅行、通関、重量品・プラントの輸送・建設送業などの物流事業全般と関連事業。
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| ホームページ | 日本通運株式会社ホームページ |
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