月30万枚・ビル7階建て相当の膨大な紙帳票を、電子化により9割削減。セキュリティ強化も行い、大幅な効率化に成功した事例です。
[ 2007年1月掲載 ]
| 導入前の課題 | 導入後の効果 | |
|---|---|---|
| 月30万枚・ビル7階相当の膨大な紙帳票の削減 | Interstage List Worksにより約9割の帳票を削減し、ペーパーレス化を実現 | |
| 帳票処理業務で期末決算時などに残業や徹夜が続いていた | 監査工数や帳票の仕分けなど事務処理工数を大幅に削減 | |
| 各部門・店舗で、必要帳票のみを閲覧可能にしたい | フォルダやログインIDにより帳票閲覧権限を制限。セキュリティを強化 |

小笠原 邦男氏
株式会社サンリオ 総務部情報システム課 次長
ギフトやキャラクタービジネスの老舗リーディングカンパニーであるサンリオ。「弊社の核となるのはソーシャル・コミュニケーション・ビジネス、わかりやすくいうとギフトビジネスです。ギフト商品の付加価値を高めるデザインとしてキャラクターを産み出している点が、アニメなどから発生した他のキャラクターとは、一線を画するところです」と同社総務部情報システム課次長の小笠原邦男氏は強調する。
ソーシャル・コミュニケーション・ビジネスのためのキャラクターの代表があの「ハローキティ」だ。このキャラクターライセンスビジネスも、同社の収益の柱となっている。また、サンリオピューロランド、ハーモニーランドなどのエンターテインメントビジネスも大きく成長している。
さらに、同社が際立っている点として、キャラクター開発のほかに、ショップと物流システムも自社で持っていることが挙げられる。自社で商品開発し、流通させ、国内約1700ヵ所、海外約1200ヵ所もの直営店や取引先店舗で販売。ここに同社の競争力があり、重要な差異化のポイントとなっている。
コスト競争力をさらに強化するため着目したのが、同社の膨大な量の紙帳票。その解消のため2002年5月に「ペーパーレス・プロジェクト」がスタートした。
当時、全社で発生する帳票の量は、毎月30万枚にも及び、積み上げると7階建てのビルの高さに相当する。これだけの出力に要する紙代とインク代、また、帳票保管庫の経費もかさむ一方だった。さらに、専用の高額なプリンタを5台所有しており、その設置スペース、運用のためのコストも大きかった。また出力された帳票を仕分けする手間、それらをバイク便などで運搬する経費もかかっていた。
同社は、富士通の電子帳票管理ソフトウェア「Interstage List Works」で帳票を電子化することで、事務処理工数の削減、ペーパーレスによるコスト削減を見込んだ。まず、ペーパーレス化の投資効果を計算したところ、1年で投資金額を回収できると判断。そこで発足したのが「ペーパーレス・プロジェクト」だ。現状の徹底的な調査と分析を開始する。
1200種類あった帳票のうち400種類は、出力しなくてもまったく問題ないことが判明、まず、同年9月末でそれらを廃止して800種類に削減。さらに、2005年2月までの3年計画で紙帳票の電子化に着手する。一気に全帳票を電子化するのではなく、数ヵ月単位で段階的に進めていく、詳細な計画を立案した。

川野 滋氏
株式会社サンリオ 総務部情報システム課 課長

柘植 一美氏
株式会社サンリオ 総務部情報システム課 課長
プロジェクトチームは、社内の説得も進めた。社内には紙帳票に対する執着が強い部門もあり、説得は2003年半ばまでかかった。「これには大変苦労しました。まず、説得しやすく効果も出やすい部門、例えば経理部門から電子化に着手し、その効果をアピールしていきました」と、当時の苦労を同社総務部情報システム課課長の川野滋氏は振り返る。
2003年2月末には300種類の帳票が電子化され、紙での出力は500種類に削減された。さらに、2004年には215種類に削減され、紙での出力は月9万ページまで減少する。この頃になると、帳票処理業務も大幅に効率化されてきた。「それまでは月末や期末になると、決算業務などのため大量の帳票出力が必要となるために徹夜が続いていましたが、それがなくなりました。配布や配送にかかるコストや手間も激減しました」(川野氏)。
また、同社総務部情報システム課課長の柘植一美氏は「副次的な効果として、帳票データの二次活用が活発化してきました。帳票データをExcelに落とし込んで、報告書や企画書に使っています。帳票データをタイムラグなく確認できますから、情報伝達もスピードアップされました」と語る。

帳票を電子化することで、紙による情報漏洩を防ぐこともできる。これも帳票電子化のメリットの1つだ。「すべての帳票を同じフォルダに入れておいては、全社員が参照できてしまいます。経理書類や人事マスタなど、特定の部門や社員に限定された極秘帳票もあります。そこで、部門や店舗ごとにフォルダを作成し、ログインIDで帳票の閲覧を制限し、セキュリティを確保しています」(川野氏)。
Interstage List Worksに含まれる基本機能で内部統制を強化し、セキュリティの不安も解消している。
2005年2月、プロジェクトは終了し、最終的に月3万枚までに紙帳票を削減できた。一般的に帳票電子化では7~8割の削減が限界とされている。顧客への納品書や請求書、配送指示書など、紙にせざるを得ない帳票がどうしても残るからだ。これに対し、サンリオでは9割を電子化し、驚異的な数値を記録しており、大成功を収めたと言える。
プロジェクト終了と同時に、それまで出力センターとして使用していた施設は不要になった。大型プリンタも撤去した。「我々プロジェクトチームの執念と、富士通のSE の機動力もあり、帳票電子化に成功しました。大変感謝しております」(小笠原氏)。
TCO 削減によるコスト競争力の強化、業務の効率化、データの活用、情報伝達のスピードアップ、セキュリティの向上……。いくつものメリットを提供しながら、サンリオの電子帳票システムは安定稼働を続けている。
| 本部 | 〒141-8603 東京都品川区大崎1丁目6番1号 |
|---|---|
| 設立 | 1960(昭和35)年8月10日 |
| 資本金 | 150億 |
| 従業員数 | 828名(平成18年3月31日現在) |
| 事業概要 | 創業以来、国内のキャラクター産業を一貫してリード。ソーシャル・コミュニケーション・ギフトおよびグリーティングカードの企画・販売、出版物・いちご新聞の編集・発行、テーマパークの企画・運営、ミュージカルショー・ライブショー・演劇の企画・製作・公演事業などを手掛ける。 |
| ホームページ | 株式会社サンリオ ホームページ |
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