
http://www.shaddy.co.jp/
カタログギフトのリーディング・カンパニーとして知られるシャディ株式会社では、クリック&モルタル型のBto C ECシステムを新たに構築した。全国に展開する約3,000の実店舗とWebサイトとのシームレスな連携を図ることで、顧客に最適なサービスを提供するのが狙いだ。システムの中核には、INTERSTAGEを採用。既存システムとスムーズな統合を実現すると同時に、新しいサービスが迅速に展開できる環境を実現している。
[ 2002年1月掲載 ]

枝澤 秀雄氏
株式会社ギフトポート 代表取締役社長
有店舗メディアショッピングというユニークな事業形態で、飛躍的な成長を続けてきたシャディ。一般的な通販会社がカタログだけで販売活動を行うのに対し、シャディではボランタリーチェーン形態の「シャディショップ」と、本部とのフランチャイズ契約による「シャディサラダ館」の2つのチェーン店ネットワークを構築。カタログ販売と店舗販売の両方の長所を取り入れ、地域に密着したビジネスを展開してきた。
シャディのeビジネス展開を支える株式会社ギフトポート 代表取締役社長 枝澤秀雄氏は、シャディの強みについて「日本有数の物流ネットワークとコスト競争力、それに起業家マインドを持ったチェーン店オーナーが数多く存在していることが原動力となっています」と説明する。
顧客へのカタログ郵送に頼る通販会社とは異なり、シャディでは地域のショップが直接、お客様にカタログを届ける。これによりお客様の信頼感を深められるだけでなく、新たなニーズを掘り起こすことも可能になる。シャディが40年近く増収を続けてこられたのも、こうした「顔の見えるサービス」が高い支持を得た証だと言えるだろう。

シャディ Gift&Shoppingホームページ
快進撃を続けるシャディにも、決してビジネス上の課題がなかったわけではない。この点について枝澤氏は「シャディでは、従来型の『モノを売る』という考えを、そろそろ捨てなければいけないのではないかとの危機感を持っていました」と説明する。
事業をはじめた当時とは異なり、流通が発達した現在ではコンビニやスーパーなどあらゆるところでギフト商品を購入することができる。購入の手段も、店舗で購入する以外に、電話やファクシミリなど様々な手段を利用できる。「シャディではこうした状況を、お客様の『買い場』が広がっていると考えています。多様化するお客様ニーズに応えるためには、新たなサービスをご提供する必要があると考えました」と枝澤氏は語る。
流通・販売業において、これまで店舗は「売り場」として捉えられてきた。しかしシャディはこうした売り手中心の発想に対して問題意識を持ち、「お客様にモノを買っていただく」という顧客中心の視点で事業を見つめ直したのである。
そこで、新たなサービスを提供する場としてインターネットに着目したのである。シャディではもともと情報化に積極的に取り組んでおり、1979年にギフト業界初の全国オンライシステムを構築。1984年には、POSレジをベースとした全国統一オンラインシステム「リボンネット」を構築している。現在、シャディの店舗では、POSレジとリボンネットを使って顧客管理や納期照会を行うといったことも可能だ。
インターネットをビジネスに取り入れることで、従来の紙のカタログと店舗ではカバーできなかった新しい「買い場」を提供できるようになる。シャディでは、2000年にインターネット分野における先進企業として知られる株式会社デジタルガレージとの合弁でギフトポートを設立。本格的なeビジネス展開へと乗り出した。
流通・販売業がeビジネスを行う場合、話題になりやすいのが「中抜き」による流通改革だ。企業と顧客が直接ビジネスを行うことで、ビジネスのスピードアップや低コスト化を狙うというものである。
しかし、シャディの場合はそうではないと枝澤氏は説明する。「全国約3000店の地域に密着した店舗があることこそ、シャディの大きな強みです。チェーン店のビジネスが伸びていかなければシャディの成長もない。両者が共存共栄することが、eビジネスを展開する上でも大前提だったのです」(枝澤氏)。
Webサイトで商品がいくら売れても、その分だけ店舗の売上が減ってしまうのでは意味がない。しかも、Webだけのやりとりでは、これまで店舗が築き上げてきた地域顧客との信頼関係も生かせない。この点も大きな問題である。
「そこで、今回のシステム構築では、『クリック&モルタル』型のサービスを重視しました」と枝澤氏は強調する。お客様がシャディのWebサイトでギフト商品を購入すると、売上はそのお客様が会員となっている地域の店舗に計上される。また、各店舗ごとに専用ホームページを提供する機能も用意した。店舗のオーナーが積極的にeビジネスに取り組めるような仕組みも盛り込まれているのである。
シャディでは、自前の大規模な物流ネットワークと強力なコスト競争力を有している。中抜きをしないことによるスピード・コスト面でのデメリットは全くない。「新しくECサイトを構築したことで、リアル店舗とWebサイトを融合させた新しいビジネスモデルが実現できました」と枝澤氏は力強く語る。


坂本 晃一氏
株式会社ギフトポート 取締役技術部長
システムを構築する上でポイントとなった点について、ギフトポート 取締役技術部長 坂本 晃一氏は「従来の社内システムと異なり、新システムはお客様やチェーン加盟店様がユーザーとなります。また、基幹システムで稼働している仕入れ・物流・決済のシステムなどとの連携も重要なポイントとなりました」と説明する。さらに、基幹システム以外に、POSレジの情報を管理している店舗システム、商品の画像やデータを管理している商品管理システムなどとの連携も必要であった。
「こうした既存資産をWebサイトに展開する方法を検討していた時に、富士通から『INTERSTAGE』を利用してはどうかと提案を受けました」と語る坂本氏。「富士通は当社の基幹システムを長年にわたって支えてくれており、業務の流れなどもよく把握しています。また、当社のホストは、現在明石のアウトソーシングセンターに設置されています。こうした既存システムとの親和性の高さも考慮し、INTERSTAGEの採用を決めました」と続ける。
新システムはフロントシステム・ミドルシステム・バックシステムの三階層構造となっており、ミドルシステムの部分に「INTERSTAGE Application Server」、バックシステムの部分に「INTERSTAGEfor GS」を配置。バックエンドの基幹システムや店舗システム、商品管理システムなどからデータを切り出して活用している。「商品データや顧客データ、受注・出荷データなどのデータをミドルシステムに統合したことで、バックシステムの負荷を下げつつインターネット展開を図ることが可能になりました」(坂本氏)。
たとえば、商品管理システムの商品データはテキストデータのみで管理されているが、これを別の画像情報システムの画像と組み合わせることで、Webサイト用のデータとして活用している。「INTERSTAGE Application Server上には、基幹系のデータや顧客データ、商品の画像など、主要なデータがすべて集まっています。これらを組み合わせることで、One to Oneマーケティングやデータウェアハウス的な用途にも活用できます」と坂本氏は語る。
INTERSTAGE Application Serverを導入したことで、既存システムをシームレスに統合するEAI(EnterpriseApplication Integration)を実現したわけである。
INTERSTAGE Application Serverを採用したもう一つのメリットとして、坂本氏は短期構築が可能であった点を挙げる。「サービスのリリースは2000年11月ですが、実際の構築作業に着手したのは8月。つまり、わずか3ヵ月で新システムを構築したのです」(坂本氏)。
通常の業務システムであれば、多少の遅れは許される部分もあるが、流通・販売業にとって12月の年末商戦は一年で最も重要な時期だ。それを逃さないためにも、11月オープンは絶対条件だった。「INTERSTAGEを活用していなければ、ビジネス展開に大きなマイナスを被っていたことは間違いありません。INTERSTAGE Application Serverの採用で、年末商戦に十分間に合わせることができました」と坂本氏は満足げに語る。この短期構築を実現する上では、富士通のサービス・サポート体制も大きく貢献した。坂本氏は「構築にあたっては、富士通のエンジニアがとても熱心に作業にあたってくれました。これには大いに感謝していますね」と語る。
B to Cのeビジネスサイトでは、予期せぬ大量アクセスへの対応といった点も問題になる。そこで、2001年7月には「INTERSTAGE Traffic Director」を導入。Webサーバの負荷を分散させることで、システムの安定稼働とサービスレベルの維持を実現している。
「CORBAを採用している点も、INTERSTAGE Application Serverのいいところですね。フロント側のサービスを容易に増強できますから、現在のB to Cの仕組みをB to Bに発展させることも容易です」と坂本氏は語る。
現在は顧客向けのオンラインショッピングのみにインターネットを利用しており、既存のPOSレジの受発注処理には専用線やダイヤルアップ接続を用いている。今回の仕組みを発展させれば、店舗や仕入れ先との取引にもインターネットを活用することが可能だ。
坂本氏は「たとえば仕入れ先には専用端末を置いてもらっていますが、少量の取引の場合はこれをWebブラウザベースの受発注システムに置きかえることも可能です。店舗からの発注も、既存のPOSレジだけでなく、PCや携帯電話などから行えるようになります」と説明する。シャディの店舗の中には、個人顧客だけでなく企業顧客を抱えているところも少なくない。営業担当者が客先からノートパソコンや携帯電話で発注できるようになれば、こうした店舗にとっては強力な武器となる。
仕入れ先にとっても、少量の取引で個別にEDIを構築するのは負担が重いが、Web化されたシステムであれば、インターネットへの接続環境とPCがあれば済む。ムダなコストをかけることなく、業務を効率的に進めることが可能になる。
シャディにとっても、こうした様々なサービスを一から構築していくとなると相当な負担を覚悟しなくてはならない。だが、INTERSTAGE ApplicationServerがシステムをつなぐハブとして機能するため、多様な新サービスを迅速かつ低コストに展開することが可能になったのだ。

チェーンに加盟している店舗を運営する事業主は、それぞれ一国一城の主である。それぞれがバラバラにWebサイトを立ち上げる可能性もあった。しかし、中小のECサイトが苦戦を強いられる中、こうした個別の試みが成功を収められる可能性が高いとは言い難い。
これに対して、シャディのオフィシャルなブランドが利用でき、既存のポイントカードなどとの連携も行えるWebサイトが自店でも活用できるとなれば話は別だ。枝澤氏は「今回の仕組みを構築したことで、それぞれの加盟店様がネット会員向けのサービスや集中的なプロモーションなどの支援を本部から受けつつ、eビジネスを展開できる環境が実現できました。システムを利用するかどうかは任意ですが、既に多くの加盟店様にご利用いただいています。この期待に応えるべく、我々としても全力を尽くしていきます」と力強く語る。
リアル店舗とWebサイトとの融合という独創的な試みを実現したシャディ。その成長を支えるシステム基盤として、INTERSTAGE Application Serverは今後も活用され続ける。
| 設立 | 1962年2月 |
|---|---|
| 資本金 | 34億3500万円 |
| 売上高 | 985億円(2001年3月度) |
| 業務概要 | ギフト業界でNo.1の売上実績を誇る。様々なジャンルにわたる豊富なカタログを用意する一方、「シャディショップ」「シャディサラダ館」などの店舗展開も実施。インターネットと店舗網を組み合わせた「有店舗ネット販売」にも乗り出している。 |
| ホームページ | シャディ Gift&Shopping ホームページ |
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